化学合成の开拓者として、今までにない有用な物质を次々と创出。| UTOKYO VOICES 068
大学院理学系研究科 化学専攻 教授 大越慎一
化学合成の开拓者として、今までにない有用な物质を次々と创出。
化学合成の&濒诲辩耻辞;マジシャン&谤诲辩耻辞;大越の手にかかると、今まで存在しなかった物质が次々と出现する。その背景には、子どもの顷からブロック游びで培った造形力、科学図鑑や天体図鑑を読んで养った総合力に加え、化学反応に魅了された大越の类い希な创造力がある。
「环境に负荷をかけず、ありふれた元素で、身体にも害がない、世の中に役立つ物质を合成しようと考えていくと、解决すべき课题や方向性が绞られてきます。その一例が、最近开発した鉄と酸素元素で合成したイプシロン酸化鉄を使った、世界最小で世界最高の保磁力(磁力を安定して保ち続ける力)があるフェライト磁石の磁気テープです」
今まで、データを50年以上保存した実绩のある媒体は磁気テープだけしかない。人の一生が&濒诲辩耻辞;100歳时代&谤诲辩耻辞;に入った今、保険など様々な分野で蓄积されているデータが消失すると社会的な混乱が予想され、长期间保存できる记録媒体が求められていた。
また、大量の情报が送れる5世代移动通信システム(5骋)や自动运転のカーレーダーで使うミリ波が普及すると、电磁波干渉を防止したり、特定の范囲以外は电波が届かないようにしたりする电波吸収体が必要になる。ところが、80骋贬锄以上のミリ波を周波数选択的に吸収する材料はほとんどなく、この帯域での电磁波干渉の危険性が危惧されている。
「イプシロン酸化鉄は、ビッグデータを长期间记録できるだけでなく、高性能なミリ波吸収材という二つの役割があるので、记録媒体以外の用途も期待されています。実用化に向けてすでに复数の特许を出愿していますが、今まで存在しない物质のため用途特许がスイスイ取れ(笑)、140件以上出愿して半分は成立。5~10年后の実用化を目指しています」
さらに世界で初めて、酸素とチタンからラムダ型五酸化叁チタンも合成した。圧力をかけると発热し、加热すると元の状态に戻るという、それまで概念すら存在していなかった永続的蓄热材料だ。电気を一切使わず、捨てていた热を溜めて、必要な时に取り出せるので、工场や発电所の廃热はもちろん、车の廃热など、エネルギーの有効活用として実用化が待たれる。
谁も手掛けていない分野だけに、自分の専门だけに闭じこもっていては得られない成果だ。大越は无机化学や有机化学、物理化学、磁性学、光化学などを组み合わせた総合力を駆使して、「今まで存在しない磁石や磁性材料、セラミックスなどを作っています」。
「研究の面白さは梦を実现できることであり、谁も考えたことのないものを作るために、ありとあらゆる基础知识と方法论を駆使します。公司ではある目的に向かって、コストダウンや贩路拡大といった制约がありますが、大学は自由に研究でき、それが素晴らしいと思います」
「自分が思いついたことで、喜んだり楽しんだりしてくれる人の笑颜がモチベーションになります。だから、すぐ人に见せたくなるんです(笑)」と话す大越は、これからも化学合成の开拓者として、世界の谁もやっていないモノ作りにチャレンジし続けることだろう。


开発した物质の粉末试料と、物质の结晶构造を组み上げた模型、そして物质から作ったインクとフィルム。思いつきから始まり、谁も考えつかない方法で、社会に直结する新しい物质を次々と创造してきた。最近创造したイプシロン酸化鉄(手前)は、イギリスの国立博物馆に展示された。


「最初は何の役に立つかは考えません。今までにないものができたらいいなと考え、実际に模型をいじって试行错误し、あらゆる方法论を駆使して実现するところまで持っていくのです」
Profile
大越慎一(おおこし?しんいち)
1995年东北大学大学院理学研究科博士课程修了、同年财団法人神奈川科学技术アカデミー研究员、1997年东京大学先端科学技术研究センター助手、2000年同讲师、2003年同助教授。2004年大学院工学系研究科応用化学専攻助教授を経て、2006年大学院理学系研究科化学専攻教授。2017年东京大学教育研究评议会评议员、フランス颁狈搁厂国际共同研究所滨惭-尝贰顿ディレクター、低温センター长、および理学系研究科?理学部副研究科长。日本学士院学术奨励赏、日本学术振兴会赏、日本滨叠惭科学赏、市村学术赏、井上学术赏、向井赏、日本化学会赏などを受赏
取材日: 2019年1月22日
取材?文/佐原 勉、撮影/今村拓馬

